Technology

検査技術

人の呼気には、窒素80%、酸素16%、二酸化炭素などが約4%含まれています。さらに微量成分として約5,000種類の揮発性有機化合物(VOCs)が存在します。
当社では、このうち数百種類のVOCsをGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)で検出。AIと独自の演算技術を駆使し、複数種類のバイオマーカー特定に成功しました。ステージ0から検出可能で、まずは乳がん検査から導入し、今後は他のがんや糖尿病などへの応用も可能です。

揮発性有機化合物
(VOCs)の測定方法

  1. Step 1

    呼気採集

    医療機関にて被験者の呼気を専用採取バッグに集め、その後、分析に適した捕集チューブへ移し替える工程を実施。

  2. Step 2

    装置で分析

    気ガス分析用サーマルデソープションシステム/ガスクロマトグラフ質量分析計(TD/GC–MS)を用いて呼気成分を測定。

  3. Step 3

    データ解析

    分析結果から得られた呼気中の各成分情報を統計的に処理し、被験者ごとの特徴的な呼気パターンや傾向を評価・解析する。

呼気のデータを機械学習したAIで解析することで、
健康な人と患者の呼気パターンの違いを見分け、
病気の有無をより正確かつ早く判断できる可能性が期待できます。

VOC量の比較

研究の結果、呼気には他の検体(皮膚・便・唾液・尿・血液)に比べて、874種類という圧倒的に多くのVOCsが含まれていることがわかっています。この特性が、呼気検査による疾病早期発見の大きな強みとなります。

VOCsの種類数
呼気、皮膚、糞便、唾液、尿、血液の各生体サンプルに含まれるVOCsの種類数を比較した棒グラフ。呼気が874種類で最も多く、皮膚504種類、糞便381種類、唾液353種類、尿279種類、血液130種類の順に少なくなる。青い棒は各サンプルのVOCs総数、緑色の棒は呼気と共通するVOCs数を示している

呼気検査のメリット

非侵襲性
無痛
非被曝
高精度
感度  91.6%
特異度 89.3%( ALGとAIで解析 )
簡便性
何処でも
検査可能
乾燥検体
物流で容易に
運搬可能

検査に使用される機器

VOCs収集機器

GC/MS 揮発性化合物を分析する装置

検査の仕組み

  1. 1

    VOCs収集

    特殊設計された採取キットで呼気中のVOCsを収集

  2. 2

    分析プロセス

    GC/MS (ガスクロマトグラフ質量分析計)を用いて呼気成分を詳細に分析

  3. 3

    乳がんマーカー検出

    約5,000種類のVOCsの中から、乳がん特有のバイオマーカーを検出

  4. 4

    AI解析

    独自のアルゴリズムとAIを組み合わせた解析システムにより、健常者と乳がん患者の波形データを比較

  5. 5

    結果判定

    乳がんの可能性を高精度に判定 (ステージ0からの検出が可能)

検査手順

私たちの呼気には、窒素80%、酸素16%、二酸化炭素などが4%含まれています。さらに約5,000種類もの揮発性有機化合物(VOCs)が微量に存在しています。当社ではこれらのVOCsの中から、がん由来の揮発性有機化合物をガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)を用いて検出し、イスラエルの大学研究により特定された乳がんのバイオマーカーを基に、独自のアルゴリズムとAIで波形解析を行っています。

  1. Step1

    呼気採集

    専用機器に
    息を吹き込む

  2. Step2

    呼気分析

    採集した呼気を
    分析機器で処理

  3. Step3

    データ解析

    独自アルゴリズムと
    AIによる波形解析

  4. Step4

    判定

    乳がんの
    可能性を判定